揖斐郡池田町八幡のいけだ整形外科リウマチクリニック|整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科

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リウマチについて|揖斐郡池田町八幡のいけだ整形外科リウマチクリニック|整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科

関節リウマチの治療目標

『病勢をコントロールして、将来の関節破壊をおこさないこと』

当クリニックでの治療内容

抗リウマチ薬(DMARDsと呼ばれています)による投薬治療と生物学的製剤使用による点滴・皮下注射治療を中心とした薬物療法およびリハビリテーション

関節リウマチの原因と病態

関節リウマチは、手足を中心とした全身の関節に腫れや痛みを伴う病気です。治療の経過によっては、進行し骨破壊や変形をきたし、日常生活に不自由が生じることがあります。 現在のところ原因は不明ですが、遺伝、感染、ストレス、女性ホルモン、喫煙などの関与が考えられており、複数の要因が関係しているようです。 病態としては、細菌やウイルスから外敵を守る免疫システムが壊れ、滑膜炎を発症する自己免疫疾患(膠原病)と考えられております。

関節リウマチの症状

  • 朝起床時に手指のこわばりがある。
  • 手足を中心とした関節に腫れや痛みが出現する。 (多くは手足の小さい関節からですが、膝、肘などの大関節から発症することもあります)
  • 微熱、全身のだるさ、疲れやすいなどの症状を伴う。
などがあります。

関節リウマチの診断

  • 臨床症状(朝のこわばりの持続時間 関節の腫れや痛みの部位 リウマチ結節の有無)
  • 血液検査
    • RF(リウマチ因子のこと。関節リウマチに感受性が高い)
    • 抗CCP抗体(リウマチに特異的であるため、高い有用性 また関節リウマチの予後との関連性も指摘されています)
    • CRP、ESR(リウマチの炎症の程度をみます)
    • MMP-3(関節内にある滑膜と呼ばれる細胞から産生される酵素で、リウマチの疾患活動性をみます)
    他に、赤血球数(貧血の有無をみます)、血小板数、血清タンパク質、肝機能、腎機能などを測定し、診断の補助とします。
  • 画像検査(関節のレントゲン、MRI検査)
これらを総合して日本リウマチ学会認定リウマチ専門医が診断します。

関節リウマチの治療

リウマチに対する治療法としては薬物療法、手術療法、リハビリテーションなどがあり、これらを組み合わせて行います。 その中でもまず治療の中心となるのが、薬物療法です。

抗リウマチ薬

リウマチの免疫異常を改善することにより、関節破壊を抑制する作用があり、免疫調節剤と免疫抑制剤と呼ばれるものがあります。その作用の発現までには1~3カ月かかります。 免疫抑制剤であるMTX(商品名:リウマトレックス)が関節リウマチの治療の中心、アンカードラッグとして使用されております。他にもサラゾスルファピリジン、タクロリムス、ブシラミンなどの薬剤があります。また、どの薬も長期に服用することから副作用の発現に注意が必要であり、関節リウマチの活動性や合併症、今までの治療歴などを考慮しながら、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医のもとで患者さまにあった治療薬、量を選択する必要があります。

生物学的製剤

炎症性サイトカインという蛋白を抑える薬剤と、リウマチの病態形成に関与する活性化T細胞を抑える生物学的製剤があります。抗リウマチ薬が副作用で使用できない、作用不十分などの際は生物学的製剤使用を考慮します。現在日本では8種類の使用が可能で、抗リウマチ薬に比較して作用発現が早く、骨破壊抑制の働きがよい薬剤です。使用方法は、点滴や皮下注射です。しかしその反面、副作用(感染症、間質性肺炎、骨髄抑制、アレルギー反応など)を伴う可能性があり、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医が責任を持って治療にあたることが求められます。

ステロイド薬や消炎鎮痛薬

鎮痛作用、抗炎症作用により、痛みを和らげる作用があります。また膝、肘、手指などの関節痛が強いときには、ステロイド注射が有効です。抗リウマチ薬と比較して作用の発現は早いですが、関節破壊を抑制したりする働きはなく、現在では抗リウマチ薬の補助薬として使用されることがほとんどです。 手術療法は、骨破壊による痛みや変形で生活に支障がでてきた場合や、腱断裂などにより機能低下をきたしたときに考慮します。代表的な手術に、人工関節置換術や滑膜切除術などがあります。手術が必要な場合には、他の病院をご紹介させていただきます。 リハビリテーションには主に物理療法や運動療法、装具療法があります。

物理療法

ホットパックや温水などを利用し、痛みをやわらげたり、関節の動きを良くするものです。

運動療法

関節の機能や筋力の維持を目的に、筋肉強化訓練、起立・歩行訓練、リウマチ体操などがあります。手術後の患者さまには機能回復を目的に、関節可動域訓練、歩行訓練、筋力訓練などを、当クリニックでは理学療法士が中心となりすすめてまいります。

装具療法

手足の変形に対する装具、膝の装具、頸椎装具、靴などを作製することもあります。また、食事、着替えなど普段の生活で動作の手助けとなる自助具の使用で、より便利になります。 いずれの治療も、主治医が個々の患者さまにあった治療を施すことにより、リウマチと上手につきあっていくことが大切です。そのためにもリウマチ患者さん自身がリウマチの症状や治療法などを良く知っておく必要があります。

当クリニックでの治療方針

これまでのリウマチ治療の目標は、患者さまの痛み、炎症をできるだけとり除くことであり、ある程度の骨破壊や変形の進行は致し方ないというのが一般的でした。 しかし現在、関節リウマチに対する治療薬に、MTXなどの免疫抑制剤や生物学的製剤の登場により、骨破壊の抑制が可能になったことで、治療目標が寛解、すなわち将来的な関節破壊の防止となりました。また骨破壊が発症早期(特に最初の1年間)に急速に進行することがわかってきたことから、治療に対する考え方は大きく変化しました。 つまり重要なことは、
  1. できるだけ早期にリウマチを診断し
  2. 早期に治療を開始し(MTXを中心とした抗リウマチ薬)
  3. 必要に応じて生物学的製剤使用を考慮する。
ことであります。これにより関節リウマチによる将来的な骨破壊を抑制し、患者さまの生活の質(ADL)を良好に保つことが可能になってきました。 薬の働きが強い反面、抗リウマチ薬や生物学的製剤などの副作用や治療費を心配されるかとは思いますが、将来的な骨破壊の防止のためには、治療が必要になることがほとんどです。不安や疑問に思うようなことがあれば、院長に何でもお気軽に相談してください。患者さまと一緒に考えながら治療をすすめてまいりますので、お気軽に受診してください。 今までの治療の経過の中で、すでにかなり進行しすすんで治療ができない患者さまや、薬の副作用やリウマチの合併症のために抗リウマチ薬や生物学的製剤が使用できない患者さまに対しても、ご一緒に治療を提案しながら、全力で治療することをお約束します。 患者さまが 『当クリニックにきて本当に良かった』 と言っていただけることを目標に、スタッフ一同努力したいと思います。